本記事では、仕事も家事も育児も頑張るパパが、「自分の時間が無いなぁ」と感じたときにやって欲しい、分析メソッドについて解説します!
今回ご紹介するものは、ベストセラーとなった書籍のメソッドを利用しつつ、働き方改革を突き詰めた経験と実体験に基づくものです。
パパにとっての「時間が無い」とは?
「時間が無い」とはいったいどのような状況でしょうか?
時間は目に見えないものなので、わかりやすく考えていきたいと思います。時は金なり、ということわざの通り、まずは時間をお金に置きかえて考えてみましょう。
「時間が無い」をお金でたとえてみよう
お金がない・お金が足りないという状況は、具体的なイメージがつきやすいですよね。
「ゴルフに行きたいけど、交通費込みで1回2万円かかるから余裕がない…」
「人気のお店でランチをしたいけど、3000円でなかなか勇気がでない…」
「新しいスマホが欲しいけど、高すぎておこづかいでは買うことができない…」
これらを整理すると、以下のように行動が制限される状態と考えることができます。
- 「必要とするモノやサービス」に対して
- 「使えるお金」が少ないため
- 「使いたいお金」に足りていないことで満たされていない状態
では、欲しい物が買える、自由に行動できる状態はどのような状況でしょうか?
おこづかい制のパパなら、イメージしやすいかもしれませんね。
- 「必要とするモノやサービス」に対して、いくら必要なのか把握し
- 「使えるお金」が、どれぐらいあるか合計金額を確認し
- 「使いたいお金」のために、余計な支出を減らすこと
お金のたとえで「無い状態」が見えてきましたので、改めて時間で見ていきましょう。
「時間が無い」という状態を考えてみよう
それでは、先程の「お金」を時間に置き換えて考えてみましょう。
- 「やりたいこと」に対して、どれぐらいの時間が必要か把握し(やりたいこと分析)
- 「使える時間」が何時間あるか全体像を確認し(理想時間の見える化)
- 「使いたい時間」のために、余計な時間のムダを減らすこと(やらないこと分析)
上記ステップで「自分の時間が無い」を解決していきたいと思います。
やりたいこと分析
貯金や投資は「欲しい物」「かなえたいこと」のために行うのが一般的です。
時間の使い方も同様に、まずは「やりたいこと分析」から始めてみましょう。
分析をしていくうえで重要なステップは以下のとおりです。
- どんなの目的のために自分時間を使うのか(Why)
- 何をやるために自分時間を使うのか(What)
- どのように自分時間を使うのか(How)
どんな目的のために自分時間を使うのか(Why)
まずは、時間を使う目的を考えていきましょう。
時間を使う目的は、「自己満足」と「自己成長」の2つに分けることができます。
意味もなくダラダラと過ごすこともあると思いますが、具体的な目的がないため、ここでは省略します。
自己満足
「自己満足」という言葉は、「じこまん」とネガティブな印象や響きもありますよね。ですが、本来の意味としては以下のとおりです。
じこ‐まんぞく【自己満足】
[名](スル)自分自身に、または自分の言動に、自分で満足すること。
出典:小学館 デジタル大辞泉
まん‐ぞく【満足】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[名・形動](スル)
1 心にかなって不平不満のないこと。心が満ち足りること。また、そのさま。「満足な(の)ようす」「今の生活に満足している」
2 十分であること。申し分のないこと。また、そのさま。「満足な答え」「料理も満足にできない」
3 数学で、ある条件を満たしていること。
[派生] まんぞくげ[形動]まんぞくさ[名]
辞書の定義から、自己満足とは「自分自身の言動で、心が満ち足りること」と考えることができそうです。時間の使う目的という観点を踏まえて、より具体的に考えていくと、身体やメンタルが「整う」ことで、ストレス解消やスッキリして心が満ち足りる=自己満足すると考えられます。
本記事では、時間を使う目的の一要素として「自己満足」という言葉を使っていきます!
ネガティブな意味ではなく、「自己肯定感」のように前向きなイメージをもってください!
お酒を飲む、ゲームをする、音楽を聞くといった手段でで「自己満足」を得ている方も多いのではないかなと思います。ぼーっとする、ただひたすらに眠る、というのも自己満足に分類して考えていきましょう。
自己成長
もう一つの要素は「自己成長」。これは文字通り自分を高めたり、向上させたりすることを指します。
ゲームでいうところのレベルアップと表現しましょう。たとえば、身体を鍛えたり、資格勉強をしたり、料理をしたり…と、自身の健康や、スキルアップにあてる時間がこれに該当します。
何をやるために時間を使うのか(What)
時間を使う目的は「自己満足」と「自己成長」に分けられることがわかってきました。
続いて、「何をやるのか」という点を具体的に見ていきましょう。
これはそれぞれ「身体」「心」「頭」の3つの要素に分解できます。
目的/部位 | 身体 | 心(感性) | 頭 |
---|---|---|---|
自己満足 <スッキリ> | スポーツ カラオケ 温泉・サウナ グルメ 睡眠・休憩 | 映画・音楽 アニメ・マンガ ゲーム キャンプ スポーツ観戦 | パズル・クイズ 謎解き系エンタメ マインドフルネス 散歩・日光浴 読書(小説) |
自己成長 <レベルアップ> | ジム・ジョギング ヨガ・ストレッチ 工作・クラフト 料理 | ドキュメンタリー動画 美術鑑賞 演劇・舞台鑑賞 書道・写経 | 勉強・資格取得 読書(自己啓発) SNS ブログ |
上記例において、音楽は「心の満足」に分類しています。
一方で、フェスのように身体も動かしながら聞く音楽では「身体の自己満足」、ヒーリングミュージックであれば「頭の自己満足」、クラシック音楽であれば「心の自己成長」に分類できます。
これは、言い換えると「今自分がかかえているモヤモヤ=悩み」に対し、「身体」「心」「頭」のどこを使うことで解消するか、という分析でもあります。
もし、これまでの時間の使い方で満足していないと感じる場合は、アプローチを変えてみるのも必要かもしれません。例えば、
- Youtubeをやめて、ドキュメンタリーを見る(心の自己満足→自己成長にシフト)
- 食べ歩きをやめて、自分で作ってみる(身体の自己満足→自己成長にシフト)
僕の場合は、心の自己満足<スッキリ>は日常のどこかでやる習慣がありました。上記の通りパターンで分析したときに「5.頭のレベルアップ」が本当にやりたいことだと気づけました。
どのように時間を使うのか(How)
続いて、時間を使う「手段」や「方法」について明らかにしていきます。
便宜的にHowと記載しましたが、やりたいことを分析していくうえでは、以下の要素に分解できます。
- だれとやるのか?(Who)
- どんな環境でやるのか(Where)
- どれぐらい時間を使うのか(When)
だれとやるのか?(Who)
自分の時間=自分だけの時間・ひとり時間 というイメージをもつかもしれませんが、本当にやりたいことは、「ひとり」以外のほうが捗るケースすらあります。改めて、やりたいことを誰とやるのか考えてみましょう。
- ひとりで
- 奥さんと
- こどもと
- 友達と
- SNSの友人と(オンライン)
100%自由にできるソロも魅力的ですが、家族との共同作業や、共通目的のある同志と切磋琢磨することは、モチベーション持続に必要不可欠です!
どんな環境でやるのか(Where)
つづいて、どこでやるのか考えてみましょう。
- 家で
- カフェや図書館で
- 移動中の電車やバスの中で
- 専用の施設で(ジム、カラオケ、映画館など)
場所以外にも、専用の機器・機材が必要かという要素も考える必要があります。例えば、ボウリングやビリヤードは専用設備が必要ですし、ゲームをしたいのであればスマホ、ゲーム機、PCが必要となります。
昔では「映画鑑賞=映画館」という選択肢しかありませんでしたが、大型テレビやサウンドバー、タブレットや高品質なイヤホン、そして動画サブスクリプションにより、場所や時間帯を選ばず、やりたいことができるようになってきました。
自分の本当にやりたいことが、本当にその場所・その環境でしかできないのか、改めて見直してみましょう。
例えば、勉強=カフェでやるもの、という固定概念があるケースでは、逆に「カフェに行く時間がないと勉強ができない」と自分のやりたいことが縛られるクサリになってしまいます。考え方のフレームを外して、改めてどんな環境でできるのか?常識や過去の経験則にとらわれずに考えてみましょう!
- 移動中などの「スキマ時間」を使えないか?
- 家事をしながらの「ながら時間」を使えないか?
- お風呂に入りながらの「リラックスタイム」でできないのか?
- リビングで(家族の前で)できないのか?
リビング学習という言葉が生まれたのも、この考え方ですね。
従来の、子供部屋が必要・学習机が必要という常識を覆す考え方です。
「がんばるパパの姿を見せる!」というメリットもあるので、まずは先入観にとらわれず試してみましょう!
どれぐらい時間を使うのか(When)
※厳密にはHow longですが、時間を表す要素としてわかりやすくWhenとしています。
最後は、どれぐらいの時間を使うのかということを分析していきます。
映画のように、2時間と決まっているものであればカンタンですが、それ以外のものについては「最適な時間」の尺度は人それぞれです。
まずは、同じことを続けていて「疲れてきたな」「そろそろ休憩しようかな」と思った時間をひとつの区切りとして、「これぐらいの時間があれば自分は満足するライン」として分析しましょう。
なお、上記であげた「自己成長<レベルアップ>」に関しては、気の進まない・モチベーションがあがらないというケースもあると思います。「やりたいことだけどサボりがちなこと」については、「とりあえず10分間だけやる」とハードルを下げてしまうのも手です。
理想時間の見える化
つづいて、理想時間の見える化を行います。
具体的なステップは、以下の通りです。
- 理想時間シートを印刷する
- 朝起きてから眠るまでの「自分にとって最高の時間の使い方」の理想形を書き出してみる
- 実際1日を過ごしてみて、理想とのギャップや、スキマ時間の合計を認識する
書籍『「早起き」の技術』には、平日や休日それぞれの理想時間の分析方法に触れられているので、参考にしてください。
スマホアプリでまずは理想の24時間を書き出してみましょう!
一日予定表
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※印刷可能な「理想時間シート」は近日公開予定。
時間とお金との最大の違いは、「使える時間=誰もが1日24時間しかない」という点です。残業を頑張ったり、副業をしたりと、収入を増やすことは実現可能ですが、「使える時間」は限られています。そういった意味では、「時は金なり」ではなく、「時は金よりも重い…っ!」のかもしれません。
やめること分析
理想時間シートと現実とのギャップで、ムダな時間がどれぐらいあるか明確になってきました。最後に行うのは、やめること分析です。
「やめること分析」は、自分の人生にとって「本当に必要なことだけ」をやろうというエッセンシャル思考にもとづいたメソッドです。
自分の人生にとって、本当に必要なものを取捨選択する…といわれるとすこしオーバーですが、「自分は⚪︎⚪︎に対してこんなに時間を使ってるんだ…」と気づきを得るだけでも大きな収穫です。
僕がやめること分析を通じて行ったことは次の通りです。
- 残業時間を減らし早帰りのため、仕事のやり方を変える
- スクリーンタイム機能でスマホの利用時間に制限を設ける
- 家事の時間を「ながら学習」「ながらエンタメ消費」にあてる
まとめ(次のアクション・してほしいこと)
今回の記事では、「自分時間が無い!」と思ったときの分析メソッドを以下のとおりご紹介しました。
ご紹介した内容を実践すれば、「自分の時間がない」と思う方でも、「やりたいことは移動時間の中でできるな…」とモヤモヤが解消したり、「場所にとらわれないで○○してみよう!」と新たな気づきにつながると思います。